秋の訪れと、燕三条のおろし金
まだまだ日中は暑さが残りますが、朝や夕方の空気の涼しさや、空の色・雲のかたちに、少しずつ秋の気配を感じるようになりました。
今回は、これから涼しくなる季節に活躍する 燕三条生まれのおろし金 をご紹介します。
ツボエの極上おろし金 箱-hako-

1907年、燕市で創業したツボエ。
創業以来、伝統的な「本目立て」という技術を用いたものづくりを続けています。
本目立てとは、厚い金属板に鋭利な鏨(タガネ)を打ち込み、一目ずつ丁寧に掘り起こしておろし刃を作る技法のこと。熟練の職人技が光る工程です。
ツボエの極上おろし金の特徴は、4方向から構成される「クワトロ刃」。
刃の形状によってすりおろす際の滑りが安定し、繊維を潰さずにふわふわのおろしを作ることができます。
みぞれ煮や揚げ物など、温かい料理が恋しくなる季節に重宝します。
こちらのおろし金はステンレスで作られているため、耐食性があり、手軽なお手入れで長く綺麗にご使用いただけます。
「箱 -hako-」はそのデザイン性も評価され、2020年には グッドデザイン・ベスト100 に選出されました。
彫金駒澤のおろし金
続いてご紹介するのは、彫金駒澤の純銅製おろし金。
先代は金属に模様を彫る「彫金」を仕事としていましたが、そこからおろし金の刃を立てる「目立て」の仕事を始めました。現在も住宅の一角で、一打一打すべて手作業で作られています。


両面使える仕様で、裏面は表面よりも細かな目立てになっているため、用途に応じて使い分けが可能です。
大中小と3サイズございます。小サイズは生姜、中サイズはカットしたりんご、大サイズは大根がすりやすいサイズです。

クラシックで飽きのこない形も人気で、普段使いはもちろん、お土産としても好評いただいている一品です。ご使用後は優しく洗い、水気を拭いていただくと、銅の経年変化を抑え綺麗にご使用いただけます。
秋の食卓を豊かにしてくれる燕三条のおろし金。
どちらも「道具を育てるように使い続けたくなる」魅力を持っています。
暮らしの中で長く寄り添ってくれる道具を、ぜひお手にとってみてくださいね。